脱獄を繰り返した男の小説と聞いていた。どうやったら?という興味をもって読み始めたが、この小説はそれだけに留まらず、戦中戦後に刑務所がどのような状態であったのかや、看守や囚人の関係、などとても興味深いことばかりで、読みごたえ十分、おなかの底にずっしり残るような話だった。佐久間清太郎その人間の不思議さ。人生の悲しさ。終盤、泣けてしまった。思っても見なかったこの小説の深さに、名作と言われる作品をやっぱり読んで良かったと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年7月12日
- 読了日 : 2011年7月12日
- 本棚登録日 : 2011年7月12日
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