脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 [Kindle]

  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  •  ストレスとは脳神経科学的にいえば、
    ニューロンを発火するために、脳細胞にダメージを受けている。
    これは、椅子から立つ、上司に嫌みを言われるなど全て同じ。



    脳細胞はスクラップ&ビルドにより、強化されていく。ストレス耐性といわれるものだ。
    では、ストレスはなぜ悪者扱いされるのか。
    それは慢性的なストレスが原因である。
    スクラップのみが起こり、再建されないことで、ダメージが蓄積されてしまう。


    運動はスクラップ&ビルドをさらに強化してくれる。運動そのものが、ストレスなのだが、ストレス耐性の強化に役立つといった性質がある。
    慢性的ストレスに対して有効な手立てとなり得る、数少ない手段の1つだ。

  •  知人に教えてもらってから三度ほど読みましたが、これは多くの人に是非読んでほしい本です。
    筆者はハーバード大学医学部准教授の神経科医で、運動のすばらしき効能を説いています。
    ただ本意は、むしろ自己コントロールの薦めに見えます。非常にモチベーションが上がる本となっております。

     端的に言うと、運動は一般にダイエットと結び付けて考えてしまいますが、寧ろ脳と身体に物理的に作用する万能処方箋である、というのが筆者の考えです。

     私も、運動できる人は実は勉強もできるという俗説は聞いたことがありました。当書ではその一端をロジカルに説明し、そればかりか、運動によって認知力の向上が認められた話、、ストレス、パニック障害、鬱、ADHD、依存症、月経や閉経時の変化、加齢などにも絶大な効果がある、と説きます。

     こう書くといかにも大風呂敷を広げるようにも思えますが、運動とBNDF分泌との関連、運動とドーパミンやエンドルフィンとの関連などがしっかり説明されています。もっとも当方は20年以上前の高校レベルの生物の知識しかなく、余りついていけませんでしたが。。。

     加えてこの本の秀逸な点は上記の病理と運動についての関連や具体例が、豊富に記述されていることです。ノースカロライナのネーパービル高校での奇跡から始まり、上記の各種神経症患者がエクササイズで自己を取り戻した事例が本人の談話を交え、細かく描写されています。もちろん一つや二つの事例から法則を帰納できるわけではありませんが、話が具体的なので説得力があります。

     因みに、個人的に考えてしまったのは、なぜこのように運動が体に良い影響を及ぼすのかということです。当書のP.264で閉経時の女性が運動によりホルモンバランスを回復した記述がありました。これを筆者は「ホルモンが加齢の合図を発していても、運動が脳をだまして、生存のためにその機能を維持するように仕向けているといえる。」と表現しています。こう見ますと、運動による物理的なコンディション良化は自然な加齢からは逆行する現象であると暗に示しています。とするとなぜ人体はこのような機能があるのでしょうか。閉経という言わば生物学上最も重要な機能の一つ(子孫を残す)が終了してもなお老化をだます仕組みが残るとすれば、人間は種として子孫を残す以外にも生きる意味が生物学的に説明できるのかもしれません。個人的にはそうした別種の問いへ導く要素もありました。


     纏めますと、当書は本当におすすめです。自分の知らなかった運動の効果がバシバシ出てきます。具体例も多く読みやすいです。そして、縁の下の力持ちですが、翻訳がとても読みやすい。読んでいて引っ掛かりとか、違和感とか、全く感じませんでした。強いて難点を挙げればこのボリュームです。単行本で小説でもないのに本の厚さは優に2.5cmはあろうかと思います笑。
    コンディショニングや生物学系が好きな方はきっと気に入って頂けると思います。

  • 30分以上の有酸素運動を脈絡60~70%のスピードで行うと、認識の柔軟性があがる

    30分のジョギングを週に2,3回を12週間続けると,
    遂行機能が向上することが確認された

    その他脳と運動についての事例がまとめられていた。
    ボリュームがすごいが、一読する価値はあると思う

  • 本書を読んで運動への見方がかわった。
    運動は、気を逸らす、筋肉の緊張をほぐす、脳の資源(セロトニン、ノルアドレナリンなど他にもいっぱい)を作る、別の結果があることを教える、回路を作り変える、立ち直りが早くなる、自由になれるというメリットがある。
    週に6日間、45分から1時間の有酸素運動(うち4日は中強度長め、2日は高強度短め)をすると良いみたいだけど、
    運動が習慣になってない私はなかなかハードルが高いなと思った(笑)
    こういう時自分でも一番気をつけないといけないなと思うことは、
    いきなり100%を目指そうとしないということだ。
    何でもスモールステップから。
    ウォーキング十分でもいいからはじめてみることが大切だ。
    行動の一番難しいタイミングはやり始めの最初の時。
    最初の一歩は本当にエネルギーがいる。
    そこをクリアすれば、最初のウォーキング10分が15分になり、そのうちまた少しずつ時間が増え、
    中強度の負担をかけることも平気になるはず。
    まずは毎日、無理なくできる範囲から、とにかく続けていこうと思った。
    運動が脳を育てて、回路までもを作り変えことができるというのはすごいなと本当に思った。
    運動すると脳の中では色んな神経伝達物質が作られたり、強化されたり、バランスを保とうとしたりしてくれる。
    脳が新たな神経回路をつくために、いろんな神経伝達物質をつくり、それらの物質を受け止める部分も強化される。
    そうすると、新しく回路もできるし、回路自体が太く強くなっていく。
    運動した後に勉強すると、脳が万全の状態でインプットすることができるので、結果、記憶力や理解力ものびる。
    「運動してから勉強」というのは子供たちにも伝えていこうと思った(笑)
    勉強以外でも、精神面でもストレスに対して強くなることがわかり、さらにはうつや依存症などにも運動がプラスの作用をもたらしてくれる。
    脳は何歳からでも成長させることができる。
    そして、何かしらの原因で使えなくなってしまった部分があったとしても、他の部分でカバーすることもできるし、新しく作り変えることもできる。
    それができるのは運動なんだと思うと、本当に運動したくなってくる。
    私たちはいつまでも成長できる。そう思うと、勇気と希望が湧いてくる。
    薬がないとどうにもならないというわけではなく、
    自分で運動すれば何とかできるという、コントロール権があるというのは幸せなことだな。
    本当に運動しよう。
    運動を楽しもうと思った。

  • 運動することがいかに脳を発達させ、よりよい人生を送れるのかを解説した本。著者は精神科医であり、自信の医療経験や様々な論文を元に効果とメカニズムを紹介していく。

    運動の効果というと、筋力や心肺能力に対する話が多い。もちろんその効果もあるのだが、それ以上に脳への影響が大きいようだ。運動するだけで集中力や記憶力が増し、シナプスの結合が増えていく。こういったことを知ると、運動が脳にいいというより、人の身体は運動することが前提の設計であると言いたくなる。

    この本にはそれぞれにおいて適切な運動が紹介されている。ただ最も重要なのは、どのような運動をするかではなく、少しでもいいから運動を行い、それを続けることにある。日頃から体を動かす習慣を身に着けたい。

  • 運動する事が、あらゆる病気や脳の活性化に良いという事を様々な研究結果や事例を交えてエビィデンスとして教えてくれる本。
    鬱病の人は昔は薬で対処してきたが、週3日、一日30分の有酸素運動をする事で、症状が良くなるとい事例には、身体だけで無く心の病にも効くというのは勉強になった。
    アメリカのある研究では、鬱病患者150人を3つのグループ(有酸素運動のみ、投薬のみ、投薬と運動)
    に分けて4ヶ月間調査した結果、鬱病が治らなかった割合は有酸素運動30%、投薬のみ50%、投薬と運動55%と運動の有効性が証明された。
    ※投薬と運動の組み合わせは、投薬が効いたのか、運動が効いたか分からず、本人に運動の達成感が感じ辛くなる事が原因だった。

  • 運動が脳にとっても重要で必要なことをアメリカにおける様々な事例で紹介している

    運動をした方が良いことは嫌でも読んでいるとわかるが、仕事で忙しい日常において、いかに運動を取り入れるか、運動が嫌いな人間がいかに運動をするべきかということについては、読者本人の問題であり実践が難しいと感じた。

  • ■書名

    書名:脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
    著者:ジョン J.レイティ、エリック・ヘイガーマン

    ■感想

    TOPPOINTで読了。

  • 非常に細かく書かれているので体な血に読むのには時間がかかるが、とても納得の行く内容。
    精神が斯様に科学的に分析が進んでいるとは。
    今まで知ることのできなかった事が多くたのしめる。そしてジムでダンスフィットネスにハマっている自分に良かった感を得られ拍車も家族の理解も理詰めで得られるお得な本だった。ADEDについてのことなど、行政の人にも読んでほしい。
    人間は未だ進化の途上にある。

  • ずっと積ん読だった本ですが、やっと読み終えました。
    習慣的に有酸素運動や無酸素運動を行うことによって、筋力がつく、痩せるといった身体的な改善のみならず、脳の機能、気分や意欲、注意力、集中力、記憶力なども鍛えられるということを医学的な研究結果に基づいて示している。巻末に「参考文献」があれば完璧だったが、今時は検索できるので困るほどのことではない。運動した方が良いであろうことは何となくわかっていても、やる気のない人や、始められない人、続かない人にとってきっかけになれば素晴らしい。

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