コミュニケーションのための日本語教育文法

  • くろしお出版 (2005年10月11日発売)
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感想 : 5

ここ数年、日本語学習者は増加の傾向にあります。そうした需要に伴い、教育現場でも新しい教授法を取り入れたり、パターンプラクティスのような機械的練習から離れ、学習者の主体的な学習を支援する活動を考えようとしたりする動きが活発に見られています。
しかし、本書はこうした教育現場の動きに問いを投げています。改善しようとするのはあくまでも教える方法であり、根本的な問題である教える内容に関しては、これまであまり吟味されてこなかったのではないか。本書はそうした「何を教えるか」について問題提起をし、学習者が日本語でコミュニケーションを行う上で、本当に必要な学習項目は何か、不要な学習項目が学習者に負担を与えてはいないか等について論じています。そして「みんなの日本語」など、現場でよく使われている教科書を分析し、現在の学習項目が抱える問題や今後の改善方法について、新たな知見を提示しています。日本語教育に興味を持つ方なら、「何を教えるか」を深く考える機会を与えてくれる、貴重な1冊になると思います。
(ラーニング・アドバイザー/人社 KIM)

▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1639349

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学(哲学、歴史、心理、文学、言語など)
感想投稿日 : 2015年6月2日
読了日 : 2015年6月2日
本棚登録日 : 2015年6月2日

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