お父さんは時代小説が大好き (角川文庫 よ 20-1)

著者 :
  • KADOKAWA (2002年2月22日発売)
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本棚登録 : 150
感想 : 28
4

若かりし頃、大好きだった漫画家、吉野朔美。

単なるお気に入り本の紹介ではなくて
本に纏わる彼女の日常、というスタンスで書いているのが楽しい。

誰もに愛されているらしい『アルジャーノンに花束を』を
手に取るのがなんだか気恥ずかしくて、
その後に出版された『24人のビリー・ミリガン』が読みたくても
アルジャーノンへの義理があるから買うわけにはいかない!
とガマンしていたとか

『因幡の白ウサギ』で、海を渡ろうとするウサギに
背中を踏んづけられた相手は、
サメなのか、ワニなのか確かめるために、
サメ図鑑に始まり、柳田國男から
古事記、日本書紀まで調べまくったりとか

このこだわりが、あの個性的な作品を産むわけだ!
と思わず納得してしまうようなエピソードの連続です。

ちょっとシュールで変わった目線の作品が好きかと思うと
ものすごくまっとうな名作『飛ぶ教室』を激賞していたりして
あ、この感覚が、『少年は荒野をめざす』に
繋がってるんだな♪と、うれしくなったりする1冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: や行の作家
感想投稿日 : 2012年5月29日
読了日 : 2012年5月28日
本棚登録日 : 2012年5月29日

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コメント 8件

円軌道の外さんのコメント
2012/05/29


こんばんは!
たくさんのコメントとお気に入りポチ
ありがとうございました(^O^)


ああ〜
誰もに愛されているものを手にとるのが
気恥ずかしい気持ち分かるなぁ〜(笑)

自分もあまのじゃくなんで
流行りものは
あえて避けちゃうんスよね〜(^_^;)

だからみんなが見向きもしなくなった
何年もしてから、
めちゃくちゃハマっちゃうことも多いんやけど(笑)


『飛ぶ教室』は学生時代に
夢中で読んだ記憶があるなぁ〜♪


吉野さんについては
何も知らないけど、
まろんさんのレビューが上手いので、
吉野さんの一風変わった『人間力』が
ひしひしと伝わってくるし(笑)

本屋に行ったら
ちょっとチェックしてみようかなって思います(^_^)v


まろんさんのコメント
2012/05/30

吉野朔美さんは、少女漫画誌「ぶ~け」に登場したとき、
漫画ファンの間に衝撃が走ったくらい、個性的な作品を描く漫画家さんなのです♪

私もまだ読めてないんですが
この本と対になるみたいに
『お母さんは赤毛のアンが大好き』
っていう本もあるみたい(笑)

まさに私のことだー!
と、その本も探索中です♪

まろんさんのコメント
2012/05/31

そうそう、ママチャリの荷台にうず高く本を積んで
仲良くふたりで帰ってくるところ、
私もいいなあ♪って、ほのぼのしました。

さすがtorachanさん、『お母さん・・・』の方も
もう読んでるのね?!
さっそくゲットしなくてはー!

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/05

吉野朔実のマンガが読めなくなって久しい(一番好きなのは「HAPPY AGE」かな)。
でも、この本に纏わる話と映画の話は読んでます。微妙にズレた感じがとっても素敵。。。

まろんさんのコメント
2012/07/05

nyancomaruさん、コメントありがとうございます!

「HAPPY AGE」って、マフィアとか新聞記者が出てきたお話ですよね?
あの頃の少女漫画では画期的な、お洒落で外国映画っぽい作品でした。

吉野朔美さんは、本といろんな角度から遊べる、幸せな人だなぁと思います(*^_^*)

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/09

「マフィアとか新聞記者が出てきたお話」
そうです。
人気が出なかったのか、この路線は他には描かれませんでしたね。
「本といろんな角度から遊べる」
私は勝手に寄り道派と読んでいます。頭に入ると同時に出て行こうとするナニかが生じてアイディアになるのかなぁ~

まろんさんのコメント
2012/07/09

nyancomaruさん☆

「寄り道派」って、まさにぴったりの表現です!すごいなぁ!

吉野朔美さんには、こういうエッセイも漫画も
張り切って、もっとどんどん書いてほしいものです♪

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/10

「もっとどんどん書いてほしいものです♪ 」
気持ち的には、どんどんどーーんと描いて欲しいですが、、、積読が増えるだけの猫には嬉し苦しになってしまいます。。。

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