Kindleでセールになっていたので購入。読み終わるまでかなり時間かかったけど。
面白かった。かなり面白かった。これ、もっと積極的に読んだほうが良いと思う。みんな読むべきだよ。
大王製紙前会長の井川意高の懺悔録、ということだが、それだけじゃないところがいい。大王製紙の御曹司として生まれて、後継者としてのあるべき姿みたいなのを叩き込まれたり、常に後継者としての意識を持っていたり、経営者としてどういう付き合いをすべきか、なども赤裸々に書かれている。
この辺の記述はホンマに賛否分かれるやろなぁ。僕は面白く読んだ。この辺をうらやまけしからん、と思うか、経営者はそういうこともあるよねそういうのも大事だよね、と思うかで評価は異なるだろうな。僕は後者でしたが。
ここに書かれていないだけで、後継者として要求されるものは非常に多かったと思う。やってられん、と思ったことも多いだろうし。
一方で、経営候補としての働き、経営者としての働きについても、非常に興味深いものがあった。こういう「経営者となるべく育てられた人」でないと出来ないことがあるのも間違いない。豊田章男さんなんかもそうだよね。こういう人が力を発揮できる環境を作るのは、ホンマに大事だと思う。日本はそういう人の足を引っ張るからね。
で、ハイライトはやはりカジノにハマっていくところだろう。この辺はよく分かるわ〜。僕もギャンブルが好きだし、海外で生活してたときはしょっちゅうカジノに行ってた。ルーレットがメインだったけど、カジノでバイトしてたこともあるし、そのときはバカラの面白さもよくわかった。
僕の場合は掛け金はショボかったし、決めた金額がなくなったらおとなしく帰ってたけど。
なので、ハマる気持ちはとても良く分かる。分かりすぎるくらい。いつどこでハマるか分からんからね。僕は今も競馬はやるけど、1レースの掛け金の上限を設定してるし、パチンコは絶対にやらないことにしている。一歩間違うとハマるから。
誰だってギャンブル依存症になる可能性は秘めている。これは病気なんだから、誰だって風邪にかかるように、誰だってギャンブル依存症になる可能性はある。だから、自分で意識しないといけないんだよね。アルコール依存症もそうだけど。
そういうことにも気づくことが出来る内容でもある。
「ギャンブルにハマるなんて馬鹿だな」「俺は絶対にそんなことにならない」「意思が弱いからそうなるんだよ」「こんなのは自業自得。正常ならこんなことにならない」
そんな風に思っている人間こそ、読むべき一冊。
Kindleで安くなるのを待っていたので、読むタイミングが遅くなった。これ、Kindleの問題点だなぁ。どんな本でもどこかで必ず安くなる、これは良い点でもあるんだが、こういった良書を読むタイミングが遅くなってしまう。もっと早くに読んでおくべきやったなぁ。残念。
まあ、単行本ではなく、文庫の電書だったので、追記した内容も読めたのは良かったけど。
- 感想投稿日 : 2018年1月3日
- 読了日 : 2017年12月20日
- 本棚登録日 : 2017年7月2日
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