「新しい科学論」について述べた本。出版年は30年以上前だが内容は現代でも十分通じる。第1章では一般的な科学論の確認、つまり、科学は中立的・客観的であり、データが蓄積する事で理論を包括的に捉える事ができ、進化していくという流れである。第2章ではそれをひっくり返す、すなわち、宗教と科学の関係、人間という媒体を通した主観性(ア・プリオリ)、ゲシュタルト崩壊と科学革命とつながっていく。科学は手段ではなく人間の営みであり、見直すべきものは解釈する人間の方であると締めくくられている。優しすぎず難しすぎず、第1章から第2章への大きな転換は科学論の捉え方としても読み物としても面白かった。
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- 感想投稿日 : 2013年2月10日
- 読了日 : 2013年2月10日
- 本棚登録日 : 2013年2月10日
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