小室直樹の世界―社会科学の復興をめざして

  • ミネルヴァ書房 (2013年10月25日発売)
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ひとつの学問領域にとどまって、わずかな限界生産性を追い求めるよりも、領域分野をまたがって、新天地で大きな限界生産性を追及することのほうが、自分にとっても人びとにとっても有益である、とするのが小室博士の思考法・発想法である。(橋爪)9
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小室博士だったら、この問題を、いまの社会を、どう見るだろうというふうに発想することができる。それは私たちの、大きな財産だろう。(橋爪)99
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意識の面で全然近代化していないのに、制度だけ近代的なふりをしている。このフィクションというのが、日本のアノミーの源泉だっていうふうにまとめていらっしゃったと思うんですよ。(志田)157
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日本人が海外留学する場合は丸腰で渡米するのに対し、中国人や韓国人はすでにアメリカに存在する血縁ネットワークのリソースを頼って渡米してくるから、全く勝負にならないのです。

こうしたホームベースを持つ者は、動機づけにおいても、使えるリソースにおいても、圧倒的に強いですね。163

かつては資本主義化に適合的に見えたエートスの優位性を、すでに失っていると診断されたのではないかと思うわけです。164

空気に縛られる日本的エートスは、時間空間の長い共有という近接性を前提とします。従って、グローバル化によって社会的流動性が上がると、近接性が低下するので、空気による縛りが機能しにくくなります。(宮台)194
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いまの社会のなかで愛国主義者であるためには、近代主義者でなくてはいけないんだなあと改めて思いました。(山田)170
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サムエルソンは言った。"You will have a hard time for ten years, but after that, the world"。ならば、と小室は、自らのプランを実行することを決意する。436
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小室 直樹
感想投稿日 : 2014年8月11日
読了日 : 2014年8月11日
本棚登録日 : 2014年8月12日

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