古代史について。
日本最古の書物のひとつである古事記に、律令国家としての正統性だけでなく、無文字時代の縄文弥生時代から連なる呪術的等の文化の影響力を重点においている本。
古事記について詳しくないので、分からない点も多いが、古事記に書かれている不可解な記述等も、縄文弥生時期(著者は「古代の古代」と呼んでいる)の文化の影響力のせいという点は、非常にロマンを感じた。
中国少数民族や沖縄の歌の文化を古代の古代の源流のひとつと考えている。
結は非常に共感できる内容だった。古代の古代の文化と国家段階に求められるリアリズムは反する方向性のものだが、日本は古来その矛盾した状況が連なってきた。明治の近代化や大戦等で限界に達しつつも、現在までなんとか連なってきた。近代国家としてのリアリズムから考えると、古来の文化である天皇制は非常に矛盾した存在になってしまうが、古来からその矛盾した状況を柔軟に対処してきた文化を残していくべきという点は同感。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2011年10月27日
- 読了日 : 2011年10月27日
- 本棚登録日 : 2011年10月27日
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