私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた。それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは…。
村上春樹らしさが随所に現われていると思う反面、以前はスラスラ読めた心地よい文体がなぜか読むスピードが上がらない。自分が年を取ったせいかもしれないけれど、もしかしたら若いころの作品よりもリズム感が無くなっているのではないか、とも思う。ただ相変わらずのストーリーテラーぶりで、騎士団長のキャラにも魅力十分。第1部はホラー風味もありページを捲る手は止まらず、第2部に突入する。
(A)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年4月1日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2017年4月3日
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