近世までの日本社会は、基本的に倫理と宗教が別事として存在していた経緯があります。
これが明治以降、キリスト教の再渡来によって、倫理と宗教を分かちがたく結びつける方向性へシフトすることになりました。
たしかに両者を結びつけることも可能であるし、倫理的言説を強化することも不可能ではありません。しかし本来何をなすべきで何をなさざるべきかは必ずしも宗教によって基礎づける必要もありません。
その辺の消息は、日本宗教の歴史から瞥見してくれる好著。
そして、末木先生のどの著作にも共通するのですが、該博な知見を土台にしつつも、難しく話をえんえんと続けないところがスバラシイ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教史(日本)
- 感想投稿日 : 2010年11月24日
- 読了日 : 2010年11月24日
- 本棚登録日 : 2010年11月24日
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