例外状態、剥き出しの生を、収容所、難民……。
フーコー以降の「生-政治」をその歴史性と現在の交差からまなざすその発想は、非常にユニークかつダイナミックなものがある。
「合法」な生存と「不法」な生存は、どのように配置されるのか。国家-国民-領土がそれを領分していく。強制収容所は難民という人間と市民の連関を断ち切る近代国民国家の危機を表象する。これらは近代の国家、政治、社会を定義付けるものであるが人間の限界でもある。
政治哲学ノートと副題にあるが、本書はアガンベン思想の基礎的な概念を整理した一冊で、その入門書といってよい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
人間とは何か
- 感想投稿日 : 2012年10月27日
- 読了日 : 2012年10月27日
- 本棚登録日 : 2012年10月27日
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