断片的なものの社会学

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  • 朝日出版社 (2015年5月30日発売)
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意味を求めたところでなんてことはない人生の断片。拾い上げてみたらば全てがキラキラしてる訳ではないが、ひとつひとつ違う形で、ただただそこに存在する断片。

ふとそれを取り上げてその形を受け止める。ただそれだけのことなのになんだかとても切なかったり癒されたり。

仏教の教えにも似たある種の諦観と、他者との違いや多様性を受け止める視点は純文学的でもある。


「普通であること」を普段意識することはない。壁が高すぎて見えないから。

世の中白か黒か、善か悪か、すべてに分かりやすい正解を求める風潮の中で、何とも意味を付せられない曖昧な感情や物事にただ寄り添うことがもはや贅沢になっている。


答えはない。

どんなに愛する恋人も友達も家族も、頭の中までは遊びに来られないから。自分の「答え」と他者の「答え」は同じものでは決してないのだ。


意味もない。
無理に意味を見出すことが良いとは思わない。でも生きていく上で何か大切なことはこんな断片に宿っているのかもしれない。

感想もなんだか断片を繋ぎ合わせた、意味のあるようでないことばかり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年7月13日
読了日 : 2015年7月30日
本棚登録日 : 2015年7月30日

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