余命

著者 :
  • 新潮社 (2006年5月30日発売)
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本棚登録 : 173
感想 : 44
5

私自身、子供を出産したばかりで読んだので、妙にぐぐっと
くるものがあった。

外科医としてバリバリ仕事していた主人公・滴。
結婚10年目にして授かった奇跡とも言える命への喜びも
束の間、乳がんの再発を確信。

妊娠期間の気持ちの揺れ、夫への希望・願望。自分の身体
への希望・失望。奄美での旅行・生活での土地の人たちの
温かさ。
また、夫の仕事先での気持ちの揺れ、すれ違いの中でも
見える愛。

「もし自分だったら」読めば考えずにはいられない。
女性だったら、尚更。
とにかく、新しい命を守りたい。自分の残された時間の
限り、出来ることをしてあげたい。勿論、それが期限付き
でなければどれだけ良いだろうと願いにも似た感情も持ち
ながら。

命の儚さ、重み、美しさ。
母の愛、父の愛、子の愛。
綺麗です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年10月18日
読了日 : 2008年12月23日
本棚登録日 : 2008年12月23日

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