一言で言えば「嫌な本」。
着眼点として面白いし、「こんなヤツいるわ〜!」というあるあるネタとしても面白いんだけど、とにかく「愛」が無い。
例えば、同じように「こんなヤツいたわ〜」というあるあるネタをふんだんに盛り込んだ『桐島、部活やめるってよ』という映画があったけど、あれって前田くんを始めとする登場人物を製作者が愛しているのが伝わってくるからこそ、痛くても傑作だったわけで。
そういう「愛」がないと、こういう生産性が全くない作品になってしまうようです。
そして、そういうスタンスで描いておきながら、あとがきで「上から目線で見下しているわけじゃない」という予防線としかとれない一文がまた不快。
「愛」もなければ、批判を受ける「覚悟」も無いのか。。。
そもそもこういう作品って、批判した人に対して
「思い当たるフシがあるから腹が立つんでしょ?くやしいのうwwwくやしいのうwww」
と返すことで批判を潰す逃げ道があるのも嫌なのよ。
ええ、ええ。
僕だってブログ書いたりレビュー書いたり、自己顕示欲強いから腹が立つんですよ!!!そんなの、わかってますよ!!!
でも、こうやって本を出版しちゃう人なんだから、そういう人の気持ちわかるでしょうよ!!
そんなわけで、「愛」も「覚悟」もなく、自分は無傷のまま他人の傷を見せ物にしているだけのこんな本は、私は嫌いです!
大島優子が『悪の教典』を嫌うが如く、私は『カフェでよくかかっているJーPOPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』が嫌いです!!
- 感想投稿日 : 2013年10月26日
- 読了日 : 2013年10月26日
- 本棚登録日 : 2013年10月26日
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