各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと

  • 株式会社メタモル出版 (2016年7月25日発売)
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◆きっかけ
虫歯菌は大人から移ると聞いて、同じ箸を使わないなどしているが、周りの人からされることもあり、いったいどこまで気をつけるべきなのかわからなくなってきたので、虫歯予防について調べたいと思った。2016/8/27

図書館に無かったのでリクエストしたら、意外とすぐに新刊図書として購入してもらえた。同時に頼んだ『野の花えほん 秋と冬の花』はリクエストから2ヶ月ほど経ってから、入手しましたと連絡が入った。育児本の方が、需要が高いのかな?

◆感想
知りたかったことについては触れられていなかったものの、それぞれの専門家が綴った様々なジャンルの話題が取り上げられており、興味深かった。
分娩について、先日読んだ本の中心となっていた吉村医院院長の名を挙げて真っ向から対立する意見が述べられていた。添加物について、そんなに神経質になることではないという説明が一つ一つされていた。江戸しぐさの章では先日筆著を読んだ森昭雄氏の名も、科学的検証に耐えられるものではないと挙げられていた。
各テーマについて、参考資料の出所やおすすめの本が明記されていたり(そのテーマを受け持った方の著書だが)、反対意見についても触れられていたりと、知りたいテーマがある時の足がかりとしてとても良い本だと思った。こういう本を読むと、同テーマについて、偏らずに様々な方向の意見の書籍を読むことは大切だと、つくづく思う。
育児についてでも他のことについてでも、様々な意見や情報があって混乱することもあるけれど、先入観を持たずに様々な意見を取り入れて、自分なりの方法をその時々で実践していきたいと思う。専門家ですら意見が分かれるのだから、物事を白黒ハッキリさせるよりも、その時々の状況や、時には気分で、柔軟に育児していきたいと、改めて思った。
2016/11/11
◆引用
・p114 食 畝山智香子氏「天然、自然なものがよいもの」で「人工のもの、精製したものは悪いもの」という考え方はおかしく、ときに思わぬリスクを呼び込むことがあります。自然な農産物とはなんでしょうか?
・p124 食 畝山智香子氏 「国産が一番よい」と思う人が多いのは、日本だけではなく、多くの先進国も同じです。英国では英国産、カナダではカナダ産、韓国では韓国産が一番だと思われています。
・p129 教育 松本俊彦氏 私が行った「ダメ、ゼッタイ」的な講演は、一番薬物に近い子どもに届がなかった可能性が高いことを意味していると言えるでしょう。考えてみれば、学校の教壇に立ち、あるいは講演会の講師として登壇する大人の多くは、「9割」側の子どもだった人たちです。そういった人たちのメッセージは、ともすれば、「生きづらさ」を抱える子どもの存在を無視した、「幸せなこと大人の自己満足」に堕してしまう危険性があるのかもしれません。
・p131 教育 松本俊彦氏 断言します。自殺予防のために必要なのは、道徳教育ではなく、健康教育です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 育児・出産
感想投稿日 : 2016年8月27日
読了日 : 2016年11月11日
本棚登録日 : 2016年8月27日

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