やれやれ。
オウム真理教をベースにしたノンフィクション小説、だが、これはノンフィクションと言えるのだろうか?所々詳細を意図的に改変し(小さいところでは選挙での得票数なども)、ラストでは大きな暴走を見せる。
ノンフィクションであるならば、例えば坂本弁護士一家殺人事件を恣に書くことは許されるのだろうか。読んでいて、死者を冒瀆しているような、不快感を少なからず持った。そして、ノンフィクションであるならば最後の暴走はなんなんだろう。事実からかけ離れる、これは作者の創造力というよりもむしろその欠如ではないか。警察庁長官を撃つ、というのも非常に安易だ(そして順序が変わっている)。
この作品のレビューしている人たちの中には高く評価している人たちもいたりして、勿論それはそれで構わないが、「主人公たちも実際にいた人たちなんじゃあないか」とまで書いちゃっている人もいて、そういう読む能力の低い人たちもいることを考慮して(ノンフィクションを本気にしてしまう人もいちゃう現実を)欲しい。
これはノンフィクションというよりも二次創作。
気になったところでは上巻p791「これが村西とか新津だったか?」が誤植。
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カテゴリ:
馳星周
- 感想投稿日 : 2013年2月11日
- 本棚登録日 : 2013年2月11日
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