怒りの方法 (岩波新書 新赤版 890)

著者 :
  • 岩波書店 (2004年5月20日発売)
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本棚登録 : 217
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『怒りの方法』という主題に沿った内容がきちんと展開されていた。「社会への怒りをどう表すか」という章では社会運動についても紹介があり大変興味深い。

自分自身の体験でも正しく怒りを伝えたときというのは、かなり自信になった経験として今でもよく覚えている。人の出方にいつも合わせていた自分は、「自分」のない存在であったように感じる。周りから抑圧を受けて元気がなかった。そんな自分が不正な手立てで宗教勧誘してきた人に「それはおかしいですよね」と言えたことは一つの「自分」を打ち立てたような気がした。

そのような「怒り」の土台には「過去の成功体験」から生じる「自信」がなければならないということを著者が述べているのがとても印象に残った。成功体験による自信の育みがいかに大事なのかがこの点からも理解できた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年4月23日
読了日 : 2016年4月23日
本棚登録日 : 2016年4月8日

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