里帆にとって、夜でも日焼け止めを欠かさず塗る椿が理解できないように、また、椿にとって、ストッキングの伝染を気にしない里帆が理解できないように、知佳子にとっては、世の中の人間たちが自ら作り上げたルールの中で生活していることが理解できない。全部同じようなことなのに、大げさに驚いたり、きずついたり、ぶつかりあってしまうんですよね。里帆が、セックスの辛さをこの先何年も行き場のない欲望を抱えて生きていかなきゃならないことと結びつけて考えていたのが印象的でした。全体的に、特に知佳子の視点は、共感しづらいけど、共感しようとすること自体がおかしいんだよなあ。里帆と椿のふたりも、まさに感覚を共有しようとしたところで、決裂してしまう。
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- 感想投稿日 : 2015年9月12日
- 読了日 : 2015年9月11日
- 本棚登録日 : 2015年9月11日
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