盲目的な恋と友情

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著者 : 辻村深月
yocoさん 日本の小説   読み終わった 

元タカラジェンヌの娘であり育ちがいい美女、蘭花。
外見にコンプレックスがあり男嫌いな、留利絵。
どちらも極端に恋、あるいは友情に情熱の比重を懸けていて、いびつな執着心に何とも言えない気持ちになりました。もやもや。

とはいえ、どっちのタイプの友人もいるし、私も昔は恋に盲目になりやすかったので、どちらも「あるなー」と思って読んでました。ただ、ほんと極端ですよね、どっちも。

なんというか、恋は成熟すると愛と呼ばれるものになるかもしれないけれど、一方で相手の存在が自分にとって大きい関係というのは執着を生みやすい。
お互いのパワーバランスが取れている時はいいけれど、どちらかの気持ちが冷めたときや気持ちが移ったときなど、バランスなんて簡単に崩れてしまうんですよね。
そこでじゃあ離れよう、となればいいけど、執着心があるとなかなか離れられない。
楽しいときはまさに天国ですが、互いに苦しいだけの関係に陥りやすいのは、盲目的な恋のデメリットですよね。

そして二人の視点から物語が描かれているから、おもしろいのは外見コンプレックスのある留利絵からの視点では、本当に外見に関わる話題が多いこと。
コンプレックスはきっとプライドの裏返しでもあって、あんまりコンプレックスを前面に出しすぎると引いてしまう気持ちもわかるし、気になってしょうがない留利絵の気持ちもわかる。なんというか、不器用なんですよね。
でも、優しい子なのはわかります。

どちらも異常というわけではなくて、相手が違ったらきっとまた全然違う人生を歩んでいたと想像できるくらい、美波たちその他の女の子と彼女たちにそんなに大きな違いはないように思います。
ネタバレになるので最後については書けませんが、スローモーションで映像が頭の中で再生されて、まるで映画のような物語だとも感じました。

感情に焦点を当てた世界観をうまく表現した装丁も素敵です。
ただの恋愛もので終わらせないのがまたいいですね。

レビュー投稿日
2015年3月28日
読了日
2015年3月28日
本棚登録日
2015年3月28日
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