最高殊勲夫人 (ちくま文庫 け 5-2)

著者 :
  • 筑摩書房 (2016年9月7日発売)
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本棚登録 : 174
感想 : 12
4

昭和のラブコメ。
これは、確かにきゅんきゅんする。
じれじれ系いいですね。連載されていたのは、なんと1950年代のことだそう。
ページを開くとそこは昭和の時代ですが、古臭さは一切なく、なんだか懐かしい。こんな時代も確かに日本にあったんだろうなあと、ほくほくしながら読みました。

3姉妹の3女、杏子がとにかく可愛いんですよね。
とってもチャーミングな女性。可憐という言葉がまたよく似合う。
そして、男性陣がまた紳士で。
杏子のお父さんも素敵なんですが、やっぱり一番は風間さんでしょうか。爽やかでフェアでそれでいて積極的で。
今の祖父母世代がよく、昔はよかったなんて言いますが、私もこの時代に生きていたならきっと、今頃昔はよかったと言っていそう。
昔の方が、自立するのが早かったですよね。朝の連続ドラマとと姉ちゃんなどもそうですが、家族をはじめ、他者との距離感が好きです。馴れ合うのでなく、尊重しあってるというのが伝わってきて。

最初に発刊されたのは随分昔ですが、この9月に新たに刊行されてるのがこちらです。
新刊コーナーに並んでいなかったら、もしかしたら一生目に留まることがなかったかもしれない。筑摩書房さん、いい仕事されてるなぁと、1本好きとして嬉しい気持ちで読み終えました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2016年10月9日
読了日 : 2016年10月9日
本棚登録日 : 2016年10月9日

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