赤き月の廻るころ 祝福の花嫁 (角川ビーンズ文庫 70-10)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月28日発売)
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感想 : 6
4

本編終了後の短編集です。

<真夜中の駆け引き>
「紅蓮の王子と囚われの花嫁」で、レウリアがブロウに間者として潜入していたころのお話。
国が違うと風習も違うというか、飾り紐にまつわる勘違いで、ジェラールの夜這いを招いてしまったレウリア。

このときのレウリアは黒髪でしたけど、レウェア=レウリアとほぼ確実に思っている感じのジェラールと、あくまでばれていないと思っているレウリア。
懐かしさとともに、最初から読み直したいなぁ、なんて思っちゃいました。

<秘密の香りは甘く誘う>
「二人の求婚者」のあとくらいのお話かな?
ツァーリアで倒れたレウリアにお詫びとして連れていかれた森の中で、不思議な匂いにつられて、木に囚われてしまったレウリア。

それを助けるのは、もちろんジェラールですが、珍しく木の匂いで素直になったレウリアの気持ちを聞けると思ったのに、邪魔が入って残念ってとこですね。

<共同戦線は恋敵と>
「奪われた王位」あたりのお話。
ロシュアの視点で書かれています。

ブロウで謀反にあったジェラールを助け、リシールを破って陰謀を破ったあと、ブロウの王宮にとどまっていたロシュア。
レウリアを諦めたはずですが、まだちょっと未練はあるようです。手に入れられたら、他の男を好きでも構わないと最初は思っていたようですけど、レウリアを知るうちに、レウリアが幸せならば・・・と思うロシュア。かっこいいです。

<とある従者の気苦労>
「蜜色の約束」あたりのお話。
今度は「従者」で分かるように、グレイグのお話です。

本に付いていたおまけで途中までは読んだことがあるような気がしましたけど、船長の部屋で二人が一晩を過ごしたところの愚痴とその続きでした。結局、レウリアが好きならジェラールのことを認めないわけにはいかないけれど、やっぱり、ジェラールなんか嫌いってところでしょうか。

<精霊のおくりもの>
「奪われた王位」で火山の件が片付いたあとのお話です。
火霊がジェラールを守護した経緯で、ここで最初の短編で出て来た飾り紐が再登場し、それと引き替えに、火霊から宝石をもらっています。

勝手にレウリアの身体を使って、ジェラールの気持ちを聞き出す火霊ですが、そんなことしなくても、ジェラールの気持ちはダダ漏れでは?って思いました。

<祝福の花嫁>
シリーズ終了後のお話。
ロクソンへの里帰りで、グレイグ、ロシュア、ロラウドから順にレウリアとの仲を認めてもらい、結婚式です。
王太子妃になったレウリアの前には、これまでのキャラが順にあらわれ、いい終わり方だと思います。

最後は、二人の子供も出て来ましたが、息子にヤキモチやくジェラールは意外と想像できました。

これは別に短編集に入ってなくても、本編の最後でもよかったんじゃないかなぁと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 角川ビーンズ文庫
感想投稿日 : 2012年1月2日
読了日 : 2012年1月2日
本棚登録日 : 2011年12月1日

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