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異常殺人:科学捜査官が追い詰めたシリアルキラーたち
- ポール・ホールズ
- 新潮社 / 2024年1月17日発売
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『異常殺人』というタイトルに惹かれて読んだのだが、著者の私生活がちょいちょい挟まれてくるのが気になる…。離婚した話は別にここで読みたくないよ…!大変な仕事をしているのはわかるけど、いや分かるからこそ私生活と、関わった事件とは別に書いて欲しかった。ちなみにこれは私が合わなかっただけなので、評価は参考にならないと思います。
2024年4月2日
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すくえた命 太宰府主婦暴行死事件
- テレビ西日本塩塚陽介
- 幻冬舎 / 2023年12月13日発売
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まずこの事件で思い浮かんだのは北九州一家連続監禁殺人事件だった。加害者が被害者を洗脳し、金を奪い取り、酷い暴行を加え死に至らしめる。首謀者が女性ということで、角田美代子の事件を浮かべる人もいるだろう。また鳥栖署、および佐賀県警の対応の杜撰さは作中でも言及されていたが、桶川ストーカー事件を彷彿とさせた。
私はノンフィクションで取材側が表に出てくるタイプの作風があまり好きではないのだが、この件に関しては遺族に寄り添い共に闘う取材側の姿勢は、取材側という第三者ではなくもはや事件の一部であるようにも感じられた。
結局、佐賀県警も鳥栖署も非を認めることなく山本受刑者の獄中死というなんとも後味の悪い最後で幕を閉じる。過去何度「被害者は以前に警察に相談していた」と事件後に語られたことだろうか。警察が忙しいのも分かる。しょうもないことで110番してくる人がいるというのもニュースで見た。しかしどうか、警察は事件の起こる前に相談者に寄り添い、事件を未然に防ぐことに尽力して欲しい。
2024年3月28日
2024年3月19日
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正体 (光文社文庫 そ 4-1)
- 染井為人
- 光文社 / 2022年1月12日発売
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最後が気になるけど、読み進めるのが怖い、そんな本でした。
視点はバラバラに飛びますが、一つの流れに沿っているため気になりません。少しずつ、青年が経験を重ねて「友達と初めて酒を飲んだ」「好きな人がいる」「好きなスポーツはスノーボード」と前のエピソードが断片的に語られるのが良い。
最後は本当に切ないし、悔しいですが…。
ちなみに、他にも書いてる方がおられましたが、太田愛さんの『幻夏』好きな人は、この小説も合うと思います。
2024年2月24日
2024年2月18日
2024年1月11日
「カエル男〜」など中山七里作品ではよく登場する渡瀬警部が「刑事の鬼」となるまでの前日譚。
『切り裂きジャックの告白』で小手川が犬養とコンビを組んでいるが、それはどうやらこの事件(後半の方)の間だったらしい(渡瀬が「たまには違うやつとコンビを組んでみろ」と送り出している)
時系列と登場人物の相関図が欲しい…。事件ものにはよくある現象だけど、めちゃめちゃ凶悪事件おきるな、この世界(笑)
2023年12月29日
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ジャンル特化型 ホラーの扉: 八つの恐怖の物語 (14歳の世渡り術)
- 澤村伊智
- 河出書房新社 / 2023年10月26日発売
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ホラーの読書案内として優れた一冊。ホラー小説を「心霊ホラー」「オカルトホラー」「シチュエーションホラー」「SFホラー」「モンスターホラー」「サスペンスホラー」「怪談」「モキュメンタリーホラー」というジャンルに分類し、それぞれ短編とともに解説がついている。ホラー小説に解説、というのは無粋な行為であるようにも思うが、本書が「14才の世渡り術」というシリーズの一環として刊行されていることを考慮すれば、むしろ自分がどの分野のホラーにどんな魅力を感じたかを考える一助になっていると思う。巻末にはブックリストもついているので(中にはYA世代が読むのはどうだろう…と思う本もあるが、そうした本には※印がついていて注意を促している)文字通り「ホラーの扉」としての役割を果たしている。ちなみに作品は好き嫌いの分かれるところと思うが、自分はサスペンスホラーに分類された雨月氏の「告発者」が1番良かった。
2023年12月5日