文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2012年11月15日発売)
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本棚登録 : 2974
感想 : 316

衝撃のタイトル。文庫化ということで即購入。
確か京極夏彦さん初の電子書籍というアオリにこのタイトルで、出た時はたまげたもんです。

最後の最後、健也の告白というか語りでズドンと衝撃を受けた幕引きでした。

健也との会話で、内面がボロボロと露見していく。人の嫌な部分を見る思い。狂言回しになんだか騙されたような気になりながらも、巻き込まれ引き込まれ、語りに落ちてしまう。最後の最後は憑物落としになっているのかな。

死んでもいいや、現状で死にたい、と思えるくらい幸せな状況って、何なんでしょうね。私も現状に大いなる不満はないけどねえ、亜佐美のようにはなかなかなか。

にしても、なんだか珍しく生きることへのエールというか、説教というか、なんだか読者たちの人生へのメッセージがあるように感じましたね。タイトルほど内容は暗く重たくはなかったですし。

仕事してだいぶ経ちますが、失敗して怒られても、「なーにタマ(命)までは取られないよ」と思えれば、何とかなるもんですよね。死ぬほどでもないと思えれば幸せなもんです。
ま、このように読書を満喫できるってこと自体、幸せなのでしょう、わが人生。

表紙のオブジェ、菩薩なのね??特に関連も解説もなかったけど・・・救済のお話だったと思えばさもあらん、か。菩薩らしからぬ造形にお見受けしましたがね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年11月24日
読了日 : 2012年11月23日
本棚登録日 : 2012年11月24日

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