衝撃のタイトル。文庫化ということで即購入。
確か京極夏彦さん初の電子書籍というアオリにこのタイトルで、出た時はたまげたもんです。
最後の最後、健也の告白というか語りでズドンと衝撃を受けた幕引きでした。
健也との会話で、内面がボロボロと露見していく。人の嫌な部分を見る思い。狂言回しになんだか騙されたような気になりながらも、巻き込まれ引き込まれ、語りに落ちてしまう。最後の最後は憑物落としになっているのかな。
死んでもいいや、現状で死にたい、と思えるくらい幸せな状況って、何なんでしょうね。私も現状に大いなる不満はないけどねえ、亜佐美のようにはなかなかなか。
にしても、なんだか珍しく生きることへのエールというか、説教というか、なんだか読者たちの人生へのメッセージがあるように感じましたね。タイトルほど内容は暗く重たくはなかったですし。
仕事してだいぶ経ちますが、失敗して怒られても、「なーにタマ(命)までは取られないよ」と思えれば、何とかなるもんですよね。死ぬほどでもないと思えれば幸せなもんです。
ま、このように読書を満喫できるってこと自体、幸せなのでしょう、わが人生。
表紙のオブジェ、菩薩なのね??特に関連も解説もなかったけど・・・救済のお話だったと思えばさもあらん、か。菩薩らしからぬ造形にお見受けしましたがね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年11月24日
- 読了日 : 2012年11月23日
- 本棚登録日 : 2012年11月24日
みんなの感想をみる