失われた時を求めて 2 第一篇 スワン家の方へ 2 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ P 1-2)

  • 集英社 (2006年3月17日発売)
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まだ作品全体の構成はわからないのだが、何故ここで「スワンの恋」が語られるのだろうか。物語内の時間は、「私」が生まれる頃であるだけに「私」と直接「時」を共有しているわけでもない。しかも、オデットとの破綻に至るスワンの恋の顛末が、物語全体の中で果たす有機的意味も不明だ。もっとも、これは第3部で半ばは解決されるのだが。ただ、スワンとオデット、そして「私」とジルベルトといった対構造は理解できたとしても、第2部から第3部にかけての空白は今は語られていない。なお、第3部のエンディングはことのほか美しく散文詩のようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆フランス文学
感想投稿日 : 2013年12月2日
読了日 : 2013年12月1日
本棚登録日 : 2013年12月2日

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