初期の5つの中・短篇を収録。篇中の「驟雨」は第31回(1954年上半期)芥川賞受賞作。吉行は、「原色の街」で候補になって以来、ほぼ毎回候補に挙がって来て、ここでようやく獲得したのであった。つまり、手練れではあるものの、最後のインパクトには欠けるとの評価だったようだ。また、後年にも『夕暮れまで』を書いていることから、官能小説化のようにも思われがちだが、実質はかなりニヒルでクールな都会派作家である。ここでも娼婦が描かれるが、情交の場面はなく、主人公の山村と娼婦の道子、それぞれのデラシネこそが描かれたのである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
☆日本文学
- 感想投稿日 : 2014年3月30日
- 読了日 : 2014年3月30日
- 本棚登録日 : 2014年3月30日
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