大判サイズ、フルカラーのエロール・ル・カインの紹介本。「いばらひめ」は、光も影も実に美しく、繊細かつ夢幻的だ。たしかに、ここでの斜めからの光はレンブラントを想わせるし、「キューピッドとプシケー」は、ビアズリーを、さらには「雪の女王」の1枚はブリューゲルを想起させる。必ずしも彼らから影響を受けたというのではないらしいのだが。東洋趣味の極致「まほうつかいのむすめ」の完成度の高さ、「キャッツ」の軽快、軽妙なタッチも忘れ難い。しかも、具象の中に抽象が潜むところがまたいい。しばし、ル・カインの幻想世界に陶酔する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
☆美術
- 感想投稿日 : 2013年11月28日
- 読了日 : 2013年11月28日
- 本棚登録日 : 2013年11月28日
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