図書館から借りて2017/07/10に読了。
雑誌「谷根千」の編集者であった森まゆみさんが、敢えてハンナ・アーレントの著作と同じタイトルを付けて出したこの本は、いま、この時代に書かざるを得なかった心情に溢れている。八つの章を使い、九人の人たちを描いており、中には九津見房子や斎藤雷太郎・立野正一のように、私は初めて名前を知る人たちもあり、私にしては珍しく速読せず、じっくりと読み進んだ。
わかりやすい文章ではあるが、大正デモクラシー前後の知識がないと著者の意図を汲みきれないところがあるかもしれない。しかし、日本の「暗い時代」はどんなものであったのか、その中でも権力におもねることなく自分を貫き通した(聖人君子ではない)人たちがいたことを、特に若い人たちに知ってもらうには最適な本だと思う。好著であることは間違いない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2017年7月10日
- 読了日 : 2017年7月10日
- 本棚登録日 : 2017年7月7日
みんなの感想をみる