壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年9月3日発売)
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本棚登録 : 7826
感想 : 805
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「死にたぐねえから人を斬るのす」新選組で、ただひとり庶民の心を失わなかった吉村貫一郎の非業の生涯を描く浅田次郎版「新選組」

引用終わり。

いやはや、これは凄い。

私は日本史などまともに学ぶべくもなくファミコンに夢中だったので年をとってから『竜馬がゆく』などを読んで明治~幕末の知識を学んだ口です笑。

もちろん竜馬がゆくも素晴らしい小説ですが、長編であり史実に沿って物語りが進むため若干退屈に感じてしまう部分もありましたが、
壬生義士伝は巧みな構成で飽きることなく一気に読み進めることができました。
文庫本上下巻。二冊に魅力的な登場人物、歴史、ドラマがこれでもかと詰め込まれています。

吉村貫一郎を中心とした物語ですが、周りの人物たちにもほどよくスポットライトを当て、激動の時代を生きた傑物達の魅力が伝わると同時に当時の生活がどのようなものだったか目の前に浮かんできます。

幕末~尊皇攘夷、倒幕派と佐幕派の対立などを知ってるとより一層と物語りを深く理解することができます。
たとえ知らなくてもさりげなく解説してくれるのが心憎い。

一級のエンターテイメントであり素晴らしい歴史小説です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年3月8日
読了日 : 2013年3月8日
本棚登録日 : 2013年3月1日

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