流転の王妃の昭和史 (新潮文庫 あ 32-1)

著者 :
  • 新潮社 (1992年3月1日発売)
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本棚登録 : 366
感想 : 62
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貴族出身、宮中に嫁いだ人の文章はさぞ読みにくいものかと思っていたし、元々中国に関する本は苦手なので(人物名が頭に入らない)迷ったが読んでみて正解だった。
数年前に常盤貴子さん主演でドラマを見たので内容はある程度知っていたけれど、ドラマには描かれなかった細部まで読み取ることができた。
昔から戦争モノ、歴史モノは好きだけどなによりも実話であることによって心に深く入って来やすい感じがする。
女性著者ならではの文章や、途中途中で改めて出てくる人物の説明がされている(義理の兄=満州国皇帝=溥儀といったような)ので中国人名であっても比較的読みやすかった。
夫の収容所生活が終わり、長女の遺骨を持って無事再会した時の描写は実際にそのシーンがあったと実感し思わず涙を誘われる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史モノ
感想投稿日 : 2010年9月21日
読了日 : 2010年9月17日
本棚登録日 : 2010年9月15日

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