社会福祉や人権に対する考え方が現実とは少し異なる日本が舞台。
生活困窮者が住む否かの施設で、一人の老人が階段から転落死する。
このことが引き金となって不穏な事件が次々と起こる。
かわいらしい装丁なので恋愛とか青春ドラマとかそんな爽やかな話かと思っていたら、かなりブラックな物語だった。
読み始め、少し影のある少年とその少年を慕う少女(装丁にも描かれている)を中心にストーリー展開するのかと思いきや、わりと早い段階から事件を捜査する老刑事が活躍し始め、少年少女の存在が薄くなってしまう。
そのため、事件解決をとしたよくあるミステリー小説という印象。
少年少女たちが絡むことで「事件解決、めでたし、めでたし」とはならない心地悪さみたいなものが残るのは面白い趣向だと思うけど、少年少女たちの影の部分がもっと全面に出るともっと面白かったんじゃないかと思う。
少年少女たちのことが途中からほったらかしになってる感じが、なんだか釈然としない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
樋口有介
- 感想投稿日 : 2015年2月24日
- 読了日 : 2015年2月24日
- 本棚登録日 : 2015年2月24日
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