雑誌記者として出版社に長年勤めてきた重松清さん、様々な社会現象を目の当たりに「目撃」してきた自分自身のことを、見張り塔にいる哨兵にたとえている。
そして、われわれ読者もその断片を本書以後の彼の作品を通して「目撃」させられることになる。
3つの短編で成り立つ本書は、以後の重松作品の方向付けをしていると思う。
ニュータウンでひそかに行なわれる主婦間のいじめと、その流れ玉を浴びる夫たちの話、「カラス」。
1歳で亡くした息子と同じ歳、同じ名前の子供が、夫婦を悩ませる「扉を開けて」。
姑に見放され、マザコン夫には邪険に扱われる若妻は、18で結婚した。世間知らずとののしられ、その存在さえも消し去られる「陽だまりの猫」。
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- 感想投稿日 : 2006年11月14日
- 本棚登録日 : 2006年11月14日
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