「あっ、○○が写っている」と、母は大きな声を出した。
こうして語る事も恥かしいと思ってしまう、巨匠写真家・木村伊兵衛が撮影した
秋田の写真集の文庫版である。大曲が多く写っている。
母の知り合いが写っているぐらいだし、自分の生まれた昭和という同じ時代ではあるが、「日々の暮しの様子」がまるで違うことに驚かされる。
物を買う事を勧めたいわけでなく、大げさでもあるかも知れないけれど、
この写真集が決して絶版になったりしない様にひとりひとりが手元に持っておく事が、写真が撮られた場所で生まれた私たちの小さな使命なのではないだろうか。
50ページの写真を見る。
大曲市から大仙市へ。街の名前が変わっても、木村伊兵衛が撮った、雄物川を挟んで眺めるあの山々の風景は、決して変わってはいない。
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カテゴリ:
waltz
- 感想投稿日 : 2005年5月17日
- 本棚登録日 : 2005年5月17日
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