そもそも、ヘッジファンドとはいったい何をしている人たちなのだろうか。経済のニュースで名前を聞いても、今一つ何者なのかはっきり知らないまま今まで過ごしてきた。
本書は、ヘッジファンドという名前で呼ばれてきた投資家達を伝記のようなスタイルで紹介する。
結局のところ、ヘッジファンドの投資手法、スタイルは様々であり、共通する点は無いといえば無い。そこで著者が用いたのが、一貫して市場リターンを上回る投資リターンを得る方法を追求した人々、という視点だ。
市場、世界経済というものは、様々な人の思惑で出来上がっている不気味な魔物のようなものだ。魔物との戦いそのものはエキサイティングなものだろう。しかし、その戦いは、時として戦場にいない人たちの生活にも大きな影響を与える。その点をどう考えるべきかという問題が、ヘッジファンドにはついてまわっているようだ。
著者は、ヘッジファンドの存在意義をいくつか提示してみせるが、果たしてそれは本書において必要なことだったのだろうかと疑問に感じた。ヘッジファンドの存在が善か悪か、本書を手に取る人はそんなことを気にしないだろう。たとえ悪の存在であっても、おもしろい物語であることには違いがないのだから。
一つの偉人伝として楽しむべき。漠然と投資の世界に興味がある人にも。
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- 感想投稿日 : 2013年7月8日
- 読了日 : 2013年6月30日
- 本棚登録日 : 2013年7月8日
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