下山事件: 最後の証言

著者 :
  • 祥伝社 (2005年7月1日発売)
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本棚登録 : 201
感想 : 30
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「葬られた夏」に始まる平成の下山事件研究の発端となった当事者によるレポート。ジャーナリストを自称しているが、実際にはライターであろう。そのため、上海日本人居留地(租界でないだけマシ)と児玉機関が本拠としたブロードウェイマンションを混同するなど事実誤認はあるが、素人ゆえ、研究者とは異なった視点(矢部喜美雄の入手情報への疑問、CIA関与説、国鉄権益汚職など)で謎に迫っていく。しかし、下山事件論考の結論は推論であり、数少ない手がかり(独自の論点)から、いかに読者を納得させる推論を導きだせるかが、腕の見せ所といえる。その意味では、手がかりから導き出した「逆コース」という結論は、予定調和じみて見える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2005年に読んだ本
感想投稿日 : 2011年9月11日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年9月11日

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