放浪癖のある主人とその飼い犬の話
読む前には、主人と犬がどう生きていくのか、或いは主人が死んでしまった後、犬がどう生きていくのか、といったことを描いた犬好きに感動を呼び起こさせるような内容の本なのかと思ったが、実際は違った。
読み手が予想するような出来事は上手く避けるように書かれていて、したがって読み手の予想はことごとくシカトされ、新たな展開を上書きすることで読ませているように感じた。
犬に対しての心理描写は上手く書かれていて、多分作者の人は犬が好きなんじゃないだろうかと思った。
こう書くとそこまで面白そうに見えないかもしれないが、おそらくこれは小説に求めるものの違いからくるものだろうと思う。この小説は、技巧的な、つまり読ませる小説であり、私の求めている読み込む小説ではなかったように感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年5月16日
- 読了日 : 2015年5月16日
- 本棚登録日 : 2015年5月16日
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