雨の塔

著者 :
  • 集英社 (2007年11月26日発売)
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高校を卒業した裕福な家庭の美少女ばかりが生活する全寮制の女子校。外界と完全に遮断され、電話も事務局に盗聴されている。授業には暇つぶしに出る程度で、欲しい物は親の金で欲しいだけ手に入る。望む大学の卒業証書さえも。そこへ入学した、ある4人の少女の物語。

設定や空気感が、萩尾望都『トーマの心臓』や、映画『わたしを離さないで』に似ている。
社交界、外国たばこ、螺旋階段、所有欲と依存、嫉妬、無関心、執着、脆さ、儚さ、自分の存在する意味。
久しぶりに耽美な世界を堪能した。
映画化するなら岩井俊二監督かな。

それにしても彼女たち、授業にも出ないで毎日お菓子を食べたり雑誌を読んだりして暮らしてて、いじめも派閥も無いところを見ると他の生徒に興味もないようだし、インターネットもできないし新聞も読めないし、退屈じゃないんだろうか。私がこんな無刺激な環境で暮らしたら、1年で認知症になりそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸
感想投稿日 : 2015年1月8日
読了日 : 2015年1月8日
本棚登録日 : 2015年1月8日

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