仕事術というかノウハウ本としてはありがちな内容だし、身につまされる話も多くてあっと言う間に読めた。タイトルの「部下を定時に帰す」とは、ポイントを絞って短時間で効率的に仕事をしようということ。この本が読みやすいさが即ち、結論から手際よく述べるという佐々木さんの仕事振りをそのまま体現している。後半は「定時に帰す~」というよりは先輩サラリーマンからのお小言みたいになるが、それでも抵抗感はない。
この本に説得力があるのは、佐々木さん自身が苦労をされているから。病気や障害のある家族を支えながら毎日6時に仕事を切り上げるには相当な工夫とスピードが必要だった筈で、ちんたら会議と残業に勤しむ同僚たちを苦々しく思っていたに違いない。
その迫力に圧倒されながらもこの本を冷静に観察すれば、「部下を定時に~」というマネージメント論よりも、サラリーマン個人としての仕事術に主眼がある。書いてあることも中堅サラリーマンなら半分くらいは実践してたりするんじゃないか。部下掌握に悩む管理職層よりも、これから仕事のデキる人になりたいと願う若手向きの一冊かなと思った。中堅以上でも自分に渇を入れるには良いんじゃないか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年12月12日
- 読了日 : 2010年12月12日
- 本棚登録日 : 2010年12月12日
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