今日から日雇い労働者になった

著者 :
  • 彩図社 (2010年1月23日発売)
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感想 : 21
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半ば強がりで日雇いでも生きていけるなんて思っていたが、実体を知らないまま言ってもしょうがないので読んでみた。

まえがきとして書いてあったが終盤に著者の悪口が増えてくるのが、その場しのぎの生活によってだんだん追いつめられている感があると思った。
まあ単に著者の性格が悪いだけかもしれないが。

バイト暮らしも考えに入れていたが、やっぱり先はないんだなぁと思わせる。
食い泊まることはできても病気ケガで働けなくなるとそこで詰みになる程度の稼ぎしかない事がわかる。
それでも気楽そうでうらやましくも思える。

電話連絡であっさり辞められるあたり、日雇いは本当に単純労働力としかみなされていないんだなぁと思う。

本当に誰でもできる仕事ゆえに何の感慨も得られない
つまらなさとかを嘆いていたが、仕事に金以外を求めていない人ならば案外合うかもと思った。

p218「明るく元気にハキハキと。常にお客様の視点に立って職務に励もう。上司、同僚は家族と同じ。目標達成のため一丸となって頑張ろう。こういったことが性格的に苦手で苦痛という人もいる。集団で行動するより、一人で言われたことを言われたとおりにやるだけのほうがいいという考えの人もいる。傍から見れば「こんなこと、何が面白いんだ」と思ってもそれで十分ですと言う人もいるのだ。」
とあったが、自分の場合はそんな感じなので、最悪この状態になってもやっていけるような気はする。
とはいえ、できればなりたくはないので、頑張ろうと思った。

ところで夜食とタバコはやめればもう少し金銭に余裕が出たんじゃないかと思ったが余計なお世話か。

作中では日雇いの中で希望を失った人々が出てくるが、
こういう人が出るような社会環境をどうにかすべきなんだろうなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年8月18日
読了日 : 2015年8月10日
本棚登録日 : 2015年8月10日

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