ミシュラン三つ星と世界戦略 (新潮選書)

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  • 新潮社 (2011年10月1日発売)
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あのミシュランが東京にある高尾山を三ツ星に選んだことには、驚きを隠せなかった。ミシュランが発行している「ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」という緑の旅行ガイドに掲載されている。著書によると、編集チームのキャップであったアンヌ・デフォは、「日本人が考える基準とは少し違うかも知れません。大都市の郊外にこれほど自然豊かな山があるなんて、パリでは信じがたい」と述べている。




 意外性で話題づくりをして、違いの分かる大人目線で評価したとでも言いたいのか。話題にはなってもあの「ミシュランガイド」ともどもぱっとしない。おそらくミーはシュランと思っている人がたくさんいるのではないか。三ツ星の数がパリやニューヨークと違って多いとの指摘があり、それにフランスのガイドに日本料理の何が分かるというプライドもあり、なかなか難しい。




 三ツ星から格下げされて自殺者まで出すミシュランガイド。しかし、インターネットの発達で売り上げが下がり、危機感を感じている。料理人の中にもミシュランスタンダードに反旗を翻して、自分の作りたい料理、店作りを行なっている人たちがいる。ミシュランの価値観は古いとばっさり気って捨てる人も出てきている今の時代。昔の栄光に胡坐をかいてはあっという間に忘れ去られてしまう。何でもかんでも手を突っ込むのではなく、日本の家電業界のように選択と集中が重要だ。あのパナソニックだって、テレビの生産縮小するのだから、何でも屋では埋もれてしまう。ミシュランにラーメンの格付けを期待している人はいるのかと思ってしまう。




 高尾山と言えば、ホンマでっかTVのレギュラーメンバーが山頂を目指して登った様子を映していたスペシャル番組があった。個性豊かなメンバーばかりなので、いつものごとくばらばらだった。集団行動が向かない人たちだなあと思った。逆に集団行動ができるようだと、個性がなくなりそれぞれの評論家が持っているユニークな発想がなくなってつまらなくなるからなあ。




 モクモク羊の場合、ミシュランガイドは本屋でぱらぱらと立ち読みしたことがある程度だ。グルメでもなければ、シロガネーゼのようにミシュランガイドを片手に三ツ星の評価がついている店を巡る優雅な生活を送っていないからなあ。もし、ミシュランがB級グルメあるいはC級グルメを掲載したガイドを出せは買ってみてもいいとは思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年12月4日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年12月4日

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