定家は明月記で、1054年の超新星爆発について言及している。実を言えば、もっと大きく、もっと華麗な爆発はその少し前に起きた。和泉式部という女が生まれ、恋し、死んだ。その結果うまれた和歌と日記文学は今日でも観測できるまぶしさを放っている。平安文学に和泉式部がいなかったら、紫式部がいなかったのと同じくらい大きな穴が開いていたはずだ。
「ものおもへば 沢の蛍のわが身より あくがれいずる 魂かとぞみる」
こんな和歌を書いた女はそれまでいなかった。これからも、きっといない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
古典
- 感想投稿日 : 2008年12月17日
- 読了日 : 2008年12月17日
- 本棚登録日 : 2008年12月17日
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