47都道府県女ひとりで行ってみよう (幻冬舎文庫 ま 10-6)

著者 :
  • 幻冬舎 (2011年4月12日発売)
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たぶん「47都道府県制覇」ではなくてもよかったのかもしれない。そこそこ達成にコストと暇はかかれど、頑張れば制覇できる、という類のものであれば。

これは旅日記でもなんでもなくて、益田さんという人が、30代の後半でこういうことをやってみたらどうなるのか、という思考実験の記録なんじゃないか。

美術館などに行っても、展示品と同じくらいそこに来ている他の人の様子が気になることがある私からすると、感覚的にわかるところがかなりある。

ある程度、都道府県を制覇してくると、人と会話する時に感覚的に充実した話ができる、という記述もどこかうなずける。

自分で決めてしまった枠、または他のあるものによって決められた枠の中を生きる、ある一人の女の人の等身大の一喜一憂の記録。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ(作家)
感想投稿日 : 2012年6月24日
読了日 : 2012年6月24日
本棚登録日 : 2012年6月24日

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コメント 5件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/06/25

「ある一人の女の人の等身大の一喜一憂の記録」
益田ミリって自省の人と言うか、率直さとそれに対する自己嫌悪が、、、男の私が読むのが憚れるような気が。。。

niwatokoさんのコメント
2012/06/25

こんにちは。
益田ミリさんって、どこか生まじめな印象があって、「地元の人との交流が暖かい」みたいなよくある?話になるのかなー、それだったらあんまりおもしろくないかも、と思っていたのですが、花鳥風月さんのレビューで逆に興味を惹かれ、読んでみたくなりました。

花鳥風月さんのコメント
2012/06/25

nyancomaruさん

益田ミリさんの本は『僕の姉ちゃん』に引き続き2冊目なのですが、あんまりどんな人なのかわかってませんでした。確かにnyancomaruさんがおっしゃるように素直で嘘つかない人だなー、とは思いましたね。

ある女の人からしたら「男に読んでおいてほしいけど、読んだとは目の前で言わないでほしい」本なのかもしれないなあ、と思うのですがどうでしょうね? (あくまで推測)

花鳥風月さんのコメント
2012/06/25

niwatokoさん

あんまり中を説明すると興をそいでしまうかもしれないので少しだけ… 「地元の人との交流が暖かい」みたいな話もあるんですけど、「店に入りたかったけど入れなかった」とか「話しかけようと思ったけどやめといた」みたいなトホホな体験談だったり、「なんでこんな旅してるんだろ、もういやになった」みたいなミリさんの率直な「気分」の記録みたいになっています(若干後ろ向きなのが多いですけど)。いろいろ隠さないのでそういう意味ではまじめな人なのかもしれないですね。
また、ミリさんが旅先で注目するところは名所とかでもなんでもなくて「そこ?」みたいなのが多く、でも自分の感覚と似ているところが確かにあるなあ、と思った次第でした。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/06/26

「目の前で言わないでほしい」本なのかも」
私は読んだコトありません、大丈夫です!

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