タペストリーホワイト (文春文庫 お 39-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年10月9日発売)
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本棚登録 : 220
感想 : 26

 70年代、内ゲバで姉を亡くした主人公の喪失と再生の物語。

 内ゲバ、それも誤爆で姉を失い、数年後に恋人を同じように内ゲバの誤爆で亡くしたという、なんとも救われようのない話。
 それでも彼女は、自分で立ちなおっていく。
 確かに、周りの助けは多々あった。けれど、結局は人は自分で立ち上がるしかないのである。
 そして、彼女の力の根底にあったのは<愛された>という記憶なのだと思う。最愛の姉、最愛の恋人だったけれど、愛され愛したから、そこに偽りは全くなかったからこそ、彼女は再び立ち上がれたのだと思う。

 愛することに、愛されることに、臆病になるなという物語なのかな、と思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 邦人作者名 あ~お
感想投稿日 : 2010年6月25日
読了日 : 2010年6月25日
本棚登録日 : 2009年11月25日

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