やっぱ、よしながふみは天才です。
<犬公方>と呼ばれた5代将軍の話なんだが、自我が薄く、娘を失った悲しみでさらにただ流されているような彼女が、実はすべての重さを抱え込んでいたと1枚の絵で知らされる。
聡明であるのに、そうであることが許されない、統治者としての矛盾を、しかも子供を産める女であることが、さらに複雑にしている。
女であることの業が、深い。
赤穂浪士の討ち入りの話を挟むことで、さらに男の女の差が明確にされる。
ホント、すごいよ。
読書状況:読み終わった
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邦人作者名 や~よ
- 感想投稿日 : 2010年6月25日
- 読了日 : 2010年6月25日
- 本棚登録日 : 2009年10月25日
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