20世紀SF 3 1960年代 (河出文庫 ン 2-3)

著者 :
制作 : 中村融  山岸真 
  • 河出書房新社 (2001年2月1日発売)
3.70
  • (10)
  • (12)
  • (24)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 188
感想 : 16
5

3巻は60年代。〈ニュー・ウェーブ〉の時代。

毎巻、巻末の解説はその時代のSFの流れについて書かれていて、
俺みたいに半可通なSF者には概説として勉強になる。

最近、バカな少年犯罪でよく漫画やゲームが言及されるのは、
マンソン・ファミリーが『異星の客』を引用していたことの繰り返しか。
カルチャー的なことから言えば、この頃のアメリカと今の日本はある意味近いものがあるのかな。

さて、感想。
印象に残っているのは
『復讐の女神』ゼラズニィ
ゼラズニィはあんまり読んでないんだけど、おもろいわ。なんかヴィジョンが漫画的。いや、だから好きってわけじゃないよ。

『コロナ』ディレイニー
一番印象に残ったのが『コロナ』。
最後で泣きそうになる。年とともに涙腺が緩んでしょうがないね。
カウンターカルチャーの頃だから、虐げられし者たちの物語もこの頃から増えてきたようだ。

『メイルシュトレーム2』クラーク
クラークはやっぱいいわ。
『2001年宇宙の旅』みたいな壮大な話じゃなくて、どうやって助けるか、みたいなエンジニア系の話のほうが好きだな。
『メイルシュトレーム2』もそう。

『リスの檻』ディッシュ
なぜか、以前、ディッシュとバラードがごっちゃになっていた時期があったけど、こうやって並べて読むと全然違うな。
『リスの檻』は名画(笑)『ホーリー・マウンテン』をどこか思わせる。

『月の蛾』ヴァンス
かなり面白かった。
なんとなくスラップスティック。もしかしたら、仮面にもっと深い意味が……。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2004年11月29日
本棚登録日 : 2004年11月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする