さよと仄田くんが別行動をする三、四夜目は、彼らの現実とリンクして意外と生々しい。離婚した両親のことで心を痛めているさよと、クラスの中で浮いている自分を自覚している仄田くん。さよは比較的しっかりものの優等生だけれど、仄田くんのキャラクターは面白いなあ。さよは母子家庭だけど、仄田くんは父子家庭でおばあちゃん子、頭が良くて物知りだけど、頭でっかちで上から目線になりがちだからクラスの男子からはよく思われていない。いじめられるほどではないけれど、友達はいなくて、なにかと軽んじられている。でもそういう、かっこいいヒーローじゃないからこそ、仄田くんの成長っぷりがとても微笑ましくて応援してあげたくなります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
○川上弘美
- 感想投稿日 : 2015年5月11日
- 読了日 : 2015年5月10日
- 本棚登録日 : 2015年5月1日
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