NIGHT TRAIN TO LISBON
2012年 ドイツ+スイス+ポルトガル
監督:ビレ・アウグスト
原作:パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』
出演:ジェレミー・アイアンズ/メラニー・ロラン/ジャック・ヒューストン/シャーロット・ランプリング/クリストファー・リー
http://lisbon-movie.com/
映画を見たいというよりは、ちょうどペソアを読んでいたので、リスボンの風景が見たいと思ってぶらりと映画館に足を運びました。そうしたら映画の中で、主人公がペソアの詩の引用についてのエピソードを語る部分があってびっくり。ポルトガルというとすごく昔にヴェンダースの「リスボン物語」を見たはずなのだけれど内容はあまり記憶になく、ただマドレデウスのCDが数枚今も部屋にある。
物語はスイスからスタート。教師のライムントが橋から飛び降り自殺しようとしている若い女性を助けるも、コートとそのポケットに1冊の本を残して彼女は失踪。その本に挟まれていたリスボン行の夜行列車の切符、衝動的にライムントは列車に飛び乗ってしまう。リスボンで本の著者アマデウを訪ねたことがきっかけで、すでに亡くなっているそのアマデウの過去をたぐることになるライムント。レジスタンス、カーネーション革命、そして三角関係・・・生存者を探し当てその証言をもとに次の生存者へと、だんだん謎が解かれてゆく。
良かったのは、そうやって主人公が過去を暴いていくことで、それに関わった人たちが多少なりとも救われること。封印したい過去、沈黙、それを破ったときに、不幸になる人間より楽になる人間のほうが多かったことで見ている観客も救われた気持ちになる。そして退屈だったライムントの人生もそうじゃなくなる、そう予感させるラストも気持ちよく、意外にもハッピーエンドで後味良好な映画でした。
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- 感想投稿日 : 2015年3月2日
- 読了日 : 2015年2月27日
- 本棚登録日 : 2015年3月2日
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