雨振りで外出が億劫な日に、ちょうどGyaO!で配信されていたのでそちらで観ました。(カテゴリが【レンタルで観たDVD】になってますがご容赦のほどを(^_^.))
たぶん配信されていたのはエピソードのボリュームから完全版ではなく、こちらの劇場公開版だと思います。
イタリア映画らしく、ほろ苦いエピソードはあるものの、全体として人生礼賛型のストーリーでした。
実らない初恋、時代の変化から取り残されていく自分の愛すべき映画館…。
そして、親子ほど年の違うトトとアルフレードの友情ですが、やがて生まれる世代の格差。いろんな可能性を秘めた朝日のようなトトの人生と、沈み行く夕日のように、やがては終焉を迎える自分と。
トトの可能性を摘まないために、アルフレードは故郷である村から出ることをすすめます。
「人生はお前が観た映画とは違う」
「帰ってくるな。私たちを忘れろ。手紙も書くな」
「ノスタルジーに惑わされるな」
たたみかけるようなアルフレードのセリフが、印象的なシーンでした。
しかし、ほろ苦いエピソードを挟みつつも、脇役にいたるまで登場人物が魅力的に描かれているため(基本的に悪人は出てきません(笑) 特にトトの幼少時は破壊的に愛らしいです)、人生そんなに捨てたものじゃないよね、みたいな気持ちで観終わりました。
ラスト、カットされていたフィルム(ポルノ的な映画は上映ダメ、という神父の考えで)をつなぎ合わせて一人で上映するトトの、涙を堪えた表情や、幼い頃と同じこぶしを頬に押し当てて感慨にふけるしぐさがとても心に残りました。
カットされていたフィルムのシーンがキスシーンばかり、というのも、これからの彼の人生に、真実の愛が訪れるかもしれないという希望を暗示しているようでした。
万人にオススメできる、よい映画だと思います。
- 感想投稿日 : 2011年6月1日
- 読了日 : 2011年6月1日
- 本棚登録日 : 2011年6月1日
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