フィレンツェ: 初期ルネサンス美術の運命 (中公新書 118)

著者 :
  • 中央公論新社 (1966年11月1日発売)
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初期ルネサンスの萌芽の地であるフィレンツェについて、都市の制度面や中世から引き継いだ文化面を背景にルネサンス芸術が創出される過程を描く。主として建築・絵画・彫刻などの芸術作品が本書の主題であり、思想・哲学方面、人文主義、あるいは宗教面での変化などは軽く触れられるに過ぎない。換言すれば、本書ではフィレンツェを代表する初期ルネサンス芸術家についての概要をつかむことが出来る。

ルネサンスという時代が中世から明確に切り替わったいわゆる断絶史観ではなく、緩やかに中世ゴシックの内容を包含しつつも新しい様式へと移行してゆく時期のフィレンツェ美術を描き、やがて舞台は北方・西方に移りフィレンツェがルネサンス芸術の舞台としては衰退してゆくまでの過程を通観する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 大航海時代Online参考書
感想投稿日 : 2011年1月23日
読了日 : 2011年1月22日
本棚登録日 : 2011年1月22日

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