箱館売ります: 幕末ガルトネル事件異聞

著者 :
  • 実業之日本社 (2004年5月1日発売)
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本棚登録 : 171
感想 : 27
3

視点がとても面白い。これは「美姫血戦 松前パン事始異聞」の時もそうだったのだけれど、作者さまが北海道生まれだからかなとも思う。目線が佐幕でも官軍でもない、北海道人独特な目線。それがすごく素敵。
七重のガルトネル開墾条約事件をベースにしたお話で、箱館戦争に興味がある人なら知っている名前がわんさか出てくるので面白いと思う。
ただ少々幅を広げ過ぎたというか、主人公がいまいち誰かよく分からないので広く浅い印象を受ける。
ガルトネルや土方さん、大鳥さんについ目が行ってしまうけれど、本当の主人公は八千人同心の蝦夷移住組一族である金十郎と順三郎だと思うの。彼らの背景をもっと知って、同じ目線で読んだら萌え120%になるんじゃないかなと思った。八千人同心蝦夷移住組は今後の宿題だなあ…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2012年7月5日
読了日 : 2012年7月5日
本棚登録日 : 2012年7月5日

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