005 共喰い
本能に抗う主人公の葛藤
特徴的な風景描写だけでなく
純粋にストーリーとしても面白い一冊だった。
「DV癖のある父のようにはなりたいくない!」
と心に強く思っていても、
気付いたら彼女を殴っている本能に絶望する姿や
「DVに走る男から早く逃げなければ!」
と頭では分かっているものの、
何故かDVに迎合してしまっている女性の葛藤。
戦後の田舎が舞台だからこそ、
その人間臭さが妙にリアルで、読んでいて引き込まれた。
「この本が好きです!」と大っぴらには言いづらいけど、
しれっと本棚の端に置いておきたい、
太宰治の作品を読んでいるようだった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年11月12日
- 読了日 : 2013年11月12日
- 本棚登録日 : 2013年11月12日
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