共喰い (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2013年1月18日発売)
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本棚登録 : 123
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005 共喰い

本能に抗う主人公の葛藤

特徴的な風景描写だけでなく
純粋にストーリーとしても面白い一冊だった。

「DV癖のある父のようにはなりたいくない!」
と心に強く思っていても、
気付いたら彼女を殴っている本能に絶望する姿や

「DVに走る男から早く逃げなければ!」
と頭では分かっているものの、
何故かDVに迎合してしまっている女性の葛藤。

戦後の田舎が舞台だからこそ、
その人間臭さが妙にリアルで、読んでいて引き込まれた。

「この本が好きです!」と大っぴらには言いづらいけど、
しれっと本棚の端に置いておきたい、
太宰治の作品を読んでいるようだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年11月12日
読了日 : 2013年11月12日
本棚登録日 : 2013年11月12日

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